黒酢の故郷 福山

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黒酢の故郷、福山を訪ねて hometown of black vinegar,to visi Fukuyama

私たちがご提供する黒酢「こがね」の原料は、言わずと知れた日本一の酒米「山田錦」です。
その産地、故郷は兵庫県三木市「特A地区」です。しかし「こがね」にはもうひとつ故郷があります。
それは手塩にかけた「山田錦」をじっくり時間をかけて醸造する蔵元です。鹿児島県霧島市福山町・・・こちらも言わずと知れた「黒酢」の本場として全国にその名が知られています。
今回、次の「こがね」の仕込みも兼ねて、現地を取材してきました。

黒酢の故郷「福山」ってどこにあるの? Where is the Fukuyama

地図でも解る通り、福山町は、鹿児島県のほぼ中央部に位置する町で、鹿児島湾(別名:錦江湾)を挟んで鹿児島市対岸の海沿いにあります。
下の写真は福山から望む「桜島」と黒酢を熟成させる「壺畑」ですが、私たちが普段よくニュースなどで見かける「桜島」とシルエットが少々違うのがお解りいただけるでしょうか?
福山町は、私たちがよく見る「桜島」を斜め後方(北東)から見るような位置にあるのです。
蔵元にお伺いした日も桜島が噴火していて、ドンッという地響きのような爆発音と、ビリビリと振動する窓ガラスに衝撃を受けました。
そんな場所に位置する福山町は、海岸線近くまで丘陵地の斜面が迫る比較的平坦地の少ない場所(実はこれが重要なポイント)です。
年間平均気温は18.7°Cと温暖な一方、鹿児島では寒い場所としても知られており、冬場は県内の最低気温を記録する日もあります。

福山は、なぜ黒酢作りが盛んなの? Fukuyama Why does black vinegar making is thriving?

山の画像

蒸しているイメージ

福山の「黒酢作り」の歴史は、約200年昔(江戸時代後期)まで遡ります。当時から福山は温暖な気候とカルデラ壁で豊富に蓄えられた美味しい湧き水で知られていました。
そして、多くの食糧や物資が集まる商業が盛んな港町でもありました。「温暖」な気候、良質な「水」と原料となる「米」、それを醸造するための「容器(壺)」・・・まさに「酢」を醸造するための材料と環境が全て揃った場所、それが福山でした。
また、前項でも述べたように三方を丘陵地に囲まれ、斜面のほとんどが南向きで、日照条件が良く、発酵醸造に必要な安定した太陽熱を確保することが可能な地形も、黒酢を作ることに非常に有効な条件でした。
そして、200年経った今となっては、各醸造所に根付いた菌類(酵母や麹など)も、上質な黒酢を作るために有効な条件かもしれません。
ちなみに、世界各地で色々なお酢が作られていますが、福山の黒酢製法はかなり特殊で他に類を見ません。
例えば日本で作られる一般的な米酢は、日本酒を造り、そこに酢酸菌などを加えて発酵。室内タンクで熟成させて完成となります。

お米

見方を変えると「日本酒をとことん熟成させると、お酢になる」といえるかもしれません。
そう考えれば「良い酒米から良いお酢ができる」ことは当然のような気もしますね。
話を戻しますが、一般的に工場ではお酢を早く大量に(安く)作るために、酢酸菌類を足して発酵させたり、急激に温度を上げて強制的に熟成を促進させます。
もちろんお酢自体は、人間の体に必要な栄養素を含んだ良い食材なのですが、短時間で発酵・熟成させることにより含まれる栄養素の量や質に大きな違いが生まれます。
福山の伝統的な黒酢製法では、発酵・熟成に最低でも半年、長ければ2年〜10年の時間を費やします。
しかも、お酢自体に不自然なストレスをかけないよう、自然の温度上昇(気温・太陽熱)を利用するために、屋外で、まるでお百姓さんが大切に農作物を育てるように、じっくり発酵・熟成させます。
黒酢を熟成させるために整然と並んだアマン壺の姿を「壺畑」と呼ぶのはそのせいかもしれませんね。

創業195年、老舗中の老舗。 Long-established of founding 195 years.

こがね家が、黒酢の醸造をお願いしているのは福山町の伊達醸造様です。創業はなんと1820年(文政年間)=創業195年。黒酢の歴史自体が約200年と考えると、老舗中の老舗といっても過言ではありません。 先に掲載した写真は、桜島を背景にした伊達醸造様の「壺畑」です。5年前、初めて山田錦を持ち込んで「これで黒酢を作って欲しいんです!!」という突拍子も無いお願いが発端で、お付き合いが始まりました。その時は、食米を酒米(山田錦)に変えて、一般的な黒酢の製法で作った結果、こんなにも劇的に違う黒酢が生まれるとは予想もしていませんでした。

「こがね」はこうして作られる。 KOGANE is made thus.

いよいよ、黒酢(こがね)がどのようにして作られているかをご紹介します。

  1. 山田錦の袋

    材料

    黒酢の原料は「お米」「麹」「水」の3つだけ。もちろんシンプルだからこそ、3つへのこだわりは重要です。こがね家一番のこだわりは、やはり日本一の酒米「山田錦」。加えて「水」は福山の美味しい湧水、「麹」は伊達醸造様のノウハウで保証済みです。

  2. 蒸しているイメージ

    蒸し

    厳選されたお米(山田錦)の玄米を、専用の大きな釜で蒸します。日本酒の場合は、もうひとつ「研ぐ」という工程が入りますが、黒酢作りの場合は玄米を使用します。もう一点この工程で勘違いされやすいのは「炊く」ではなく「蒸す」であるということです。この後、蒸した米は「蒸し米」「米麹」「振り麹」として仕込まれます。

  3. 麹づくり

    麹づくり

    蒸し上がったお米に麹菌を振り掛け、麹菌を増やすために「麹むしろ」に入れて数日寝かせます。この工程で麹菌がお米の一粒一粒に絡みあい、おいしい黒酢が出来る基礎を作ります。こうして出来た麹を「振り麹」や「老麹(ひねこうじ)」と呼びます。ちなみに黒酢作りでは、味噌や醤油と同じ「黄麹」が使われます。(この工程は、もうもうと湯気が立ち込める非常に湿度が高い部屋での作業なので、カメラに納めることは出来ませんでした。あしからず)

  4. 仕込み準備中

    仕込み準備

    お米と麹菌がしっかり絡み合ったら保管室から出します。そして、仕込みを手際よく行うために「米麹」も「蒸し米」も、ひと壺分ずつ取り分けます。仕込みでアマン壷に入れる「米麹」の分量は、その時々の気候変動や仕込み時期で若干変化します。この辺りのさじ加減は、まさに職人の腕の見せ所ですね。「振り麹」も完成し、準備万端。後は壺畑での仕込みを待つばかりです。

  5. 仕込み作業中2

    仕込み

    場所を屋外の「壺畑」に移して、いよいよ黒酢仕込みの工程です。この「アマン壺」と呼ばれる壺、最近は中国製、韓国製という話しも聞きますが元来、薩摩焼の壺が多く使われていました。伊達醸造様の壺畑にも創業当時から使われている古参の壺がたくさんあります。むしろ長く使ってこそ「アマン壺」の値打ちがあると言った方が良いかもしれません。というのも醸造所の建物の中はもちろんですが、この壺の中にも黒酢の発酵・熟成に欠かせない微生物が住んでいるのです。例えば、量産するために新しい壺を導入しても、その壺で黒酢を作るためには微生物(菌類)を定着させる工程と時間が必要で、そのために数年の時間を要します。工業製品的な「老朽化したから新品に変える」という理論とは根本的に違っているのです。

    見極める作業中

    本題に戻ります。壺の一つ一つに先ほど取り分けておいた麹菌の付いた「米麹」を入れていきます。さらに、蒸して35°C程度まで冷ました「蒸し米」と「水」を加えます。最後に「振り麹」を満遍なく振り入れ、黒酢をじっくり寝かせる環境を整えます。壷の大半は薩摩焼の壷ですが、作られた時代によって形も大きさも多少ばらつきがあるため、適切な分量(米麹や水、振り麹)を見極めるには、長年の経験が必要な作業です。

仕込みで蓋を閉じた瞬間から、壷の中では変化が始まります。

  1. 糖化

    「米麹」が一緒に仕込んだ「蒸し米」のでんぷんを分解して、ブドウ糖を作り始めます。

  2. アルコール発酵

    糖化が始まり、ブドウ糖が出来るのと並行して、酵母がブドウ糖をアルコールへと変えていきます。
    まさにお酒が作られている状態です。

  3. 醋酸発酵

    酢酸菌の働きによって、アルコールが酢酸へと変化していきます。

  4. 熟成

    仕込みから6カ月ほどで酢酸発酵は終わり、そこから熟成期間に入ります。
    熟成期間を長くとることで、色も濃くなり、黒酢独特の風味や香りが生まれ、角の取れたまろやかな味わいへと変化していきます。

製法も場所も「本物」にこだわり尽くした特別な黒酢「こがね」

夕焼けの福山

私たち「こがね家」がご提供する黒酢「こがね」は原料のお米に、日本一の酒米「山田錦」を100%使い、製法も場所も「本物」にこだわり尽くした特別な黒酢です。まろやかさを出すために2年の熟成期間を経て、やっとみなさまのお手元にお届けすることが出来るのです。今回仕込んだこの黒酢も、みなさまにお届けできるのは2年先の話しです。どうか気長にお待ちいただければ幸いです。その間、醸造元の方々と共に、その成長を日々見守りながら、手塩にかけて育ててまいりたいと思います。

最後に、今回の旅のご報告の締めくくりとして、伊達醸造様からご提供いただいた絶景写真を掲載させていただきます。伊達醸造様の壺畑から望む錦江湾と桜島の夕景・・・いかがでしょう?うっとりしちゃいますよね?こんなに素晴らしい環境の中で、「こがね」は時間と手間をかけて、熟成されているのです。

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